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登録日:2012/05/14(月) 21 25 56 更新日:2024/05/26 Sun 13 29 42NEW! 所要時間:約 6 分で読めます ▽タグ一覧 GGG OP ガガガ 主題歌 勇者シリーズ 勇者王ガオガイガー 勇者王ガオガイガーFINAL 勇者王誕生! 地球温暖歌 楽曲 歌わずにはいられない 歌詞の大半が“ガ” 田中公平 神曲 米たにヨシトモ 遠藤正明 ガガガッ ガガガッ ガオガイガー! ガガガ ガガガガッ ガオガイガー!! 『勇者王誕生!』はアニメ『勇者王ガオガイガー』及びそのシリーズのOP曲。 作詞:米たにヨシトモ氏(同アニメ監督) 作曲:田中公平氏 歌手は【アニソン界の若獅子】こと遠藤正明氏であり、遠藤氏の当たり曲。 TVシリーズ第1話のサブタイトルにもなっている。 ■概要 言わずと知れた熱血ロボットアニメ「勇者王ガオガイガー」を象徴する一曲。 それを製作するにあたって米たに監督が「アニメ本編と一体化した歌」を考えたのが始まり。 作曲の田中氏と監督、その他大勢のスタッフの協力により本曲は完成した経歴を持つ。 特徴は、なんと言っても「アニメソング」らしいストレートな熱い歌詞。 本作が放送されていた97年当時は歌詞と番組の内容が全く関係ないようなタイアップの主題歌も珍しくなかった中で、 「サイボーグ」「超人合体」「ディバイディングドライバー」「ゴルディオンハンマー」など数々のキーワードをふんだんに盛り込んである。 「勇者王ガオガイガー」は視聴率などは割と不遇な方であったが、 遠藤氏の力強い歌声による「ガガガ、ガガガ」の連呼は当時の少年達の耳に強烈なインパクトを残し、「あの主題歌だけは知ってる」という者も少なくなかった。 尚、当初の予定では『ガ』の数を400個を想定して歌詞を作ろうとしていたらしい(実現していたら大変なことになっていたことだろう)。 また、この曲はいわゆる詞先(歌詞を先に製作し、それに曲を付けるという順序)で作られている。 そのせいもあり、七五調のシンプルで堅実な歌詞に反して「どうしてこの歌詞にこんなメロディを付けようと思ったんだ」と言いたくなるほど複雑な音程やリズムになっている。 素人がカラオケで歌いこなすには難しい曲である(*1)。 実際、オリジナルの歌手である遠藤正明も初めてこの曲を紹介されたときはあまりの難しさに頭を抱え、 作曲者の田中公平も「どうしても歌いこなせる歌手が見つからなかったら、仕方ないから自分で歌おう」と思っていたという(*2)(*3)。 歌詞は3種類が存在。「TVアニメVer.」、後述するOVA「神話Ver.」、覇界王「御伽噺Ver.」の3つである(プロトタイプであるデモテープを含めれば四種類だが遠藤氏が歌っていないので割愛)。 歌詞が似ていることや、コーラスが付いた別バージョンがあるなどで非常にややこしく、 歌っている遠藤氏はライブでこの曲を歌う際、歌詞を間違えることがある(まぁお約束みたいなモノなのでそこはご愛嬌)。 ちなみに後述するアルバムの時点で遠藤氏は「そろそろ止めましょう」と告げていたという。残念だが、増えるんだなぁ、これが この曲は 俺が歌う為に生まれて来たのだと思う この曲は 俺にしか歌えないのだと思う そんな 宿命さえ感じる しかし いったい いくつ俺は ヴァージョン違いの歌詞を おぼえるのだろうか? 余談だが、同じタカラ版権で主人公がサイボーグのロボットアニメ、 『鋼鉄ジーグ』の主題歌も歌詞の約8割がバンババンとダンダダンで埋め尽くされた熱血ソングだったりする。 ■各バージョン ■勇者王誕生! TVシリーズで使用されたバージョンであり記念すべき第一号。通称「無印」。 『ガ』の数は124個。 曲の歌詞、映像はともに本編の内容にマッチしており、今OPを見ても十分にカッコいい。 ただし一部が猛烈に点滅するので真っ暗な場所で見るのはお勧めしない。 通信カラオケのDAMでは映像つきで収録されているので、勇者なら歌おう。 高らかに歌い上げられている「ディバイディングドライバー」が必殺技でも武器ではなく、市街地の被害(と、作画の手間)を減らすための道具であることは有名。 田中氏も「作曲の時点ではどんなものか全く解らないまま遠藤さんに叫ばせました」とのこと。そして歴史は繰り返す 他には、スタッフの大半が「ゴルディオンハンマー」を「ゴールデンハンマー」だと思ってたらしい。 実際金色になるけど。 番組前半では1番、後半からは2番の歌詞のTVサイズが使用された。 映像もそれに合わせて一新されている。 このOP映像の変更は話が進むにつれ少しずつ行われており、全部で8種類存在する。 最終回で1番の歌詞、ラスボスの新規カットを加えた最初期の頃の映像に逆戻りしたのは、燃える要素のひとつ。 ■勇者王誕生!~神話(マイソロジー)ヴァージョン~ 続編OVA「勇者王ガオガイガーFINAL」に使用されたバージョン。 作中に合うように前半は『闘う勇者王』、後半は『新たな勇者王』が登場するなど、 歌詞の変更やイントロのアレンジ等があり、以降の派生ヴァージョンはこれをベースにしている。 ちなみにOPとして使われたのはOVA 第2話から第6話まで。 第1話では挿入歌としての使用、7話は後述の究極、8話はピアノバージョンが使用されている。 さらにTV放送する際は、後述する「集大成ヴァージョン」にこれまたOP枠をもっていかれた。 前半モチーフのガオファイガーも作中ではやや扱いが悪い点もある。というか唯一「ぼくらの勇者王」になれなかった…… 『ガガガォ、ファイティング、ガオガイガー』と歌うとかっこよく歌える。 ■究極神話(きゅうきょくマイソロジー)ヴァージョン 『神話ヴァージョン』の後半歌詞に「GGG少女歌激部隊」によるコーラスが付いているのが特徴。 監督曰く『子供番組っぽさを出したかったから』とのこと。その目論見は大成功していると思う。 OVA第7話OPとして使用された際はネタバレを防ぐため、後半歌詞の最終兵器の部分はカット。 映像の方も、代わりにジェネシックとガオファイガー(とガオガイガー)が握手する絵に変更された(CD版ではきちんと聴けるためご安心を)。 ■完璧絶叫(パーフェクトぜっきょう)ヴァージョン 『無印』と『究極神話』をフルで繋げ、さらに「絶叫」の名の通り、勇者ロボ全部の武器や必殺技などのセリフを取り入れた究極の勇者王ソング。 要所要所で凱兄ちゃんや勇者ロボが熱くシャウトしてくれる。 「ディバイディングドライバー」の辺りも使っている本人が叫んでいる。 カラオケではCROSSOやDAM等の機種には入っているため歌うことは可能。 ただし、2曲分の長さなので8分以上ある上、「メイン」「コーラス」「セリフ」のパートがあるため最低3人はいないと歌えない。 まぁ、勇者である諸君なら歌えるであろう(きっと……) 実はCDで聞くと、歌詞よりセリフの方が音量が大きい。ちなみにベターマンのあの人も登場する。 ???「勇者なら歌え!!!」 ■集大成神話(ギャザリングマイソロジー)ヴァージョン こちらは通常の『神話ヴァージョン』に「スリージーズ2005」(アニメ出演者達)コーラスとパーカッションが入っているもの。 サビが始まるとどこからともなく「ガガガガガガガガガ…」というコーラスが聞こえてくるため、これまでにない迫力がある。 全曲中コーラスを含めると『ガ』の数が一番多い曲。offボーカルでも歌として成立できる気がする。 第一話ではネタバレ全開の画像を使用した特別版が流れ、また公式MADともいうべき特典動画もある。 ガオファイガーからジェネシック・ガオガイガー……そして四体のガオガイガーによるヘルアンドヘヴン。 最後を締めるのは一号ロボ『ガオガイガー』という、一号ロボを大切にしたいという願いが存分にこもった動画となっている。 ……一体レプリジンがいるとか突っ込んじゃダメ ちなみに初代勇者王誕生!の女性バックコーラスが歌詞変更されてない部分だけ流用されている。 例えば『舞い上がれ』の『上がれ』に勇者王誕生!の『立ち上がれ』の『上がれ』を流用している他、 『闘う勇者王』に『ぼくらの勇者王』の勇者王を流用している。 ■-extra- 『FINAL』のサウンドトラックvol.1に収録されたボーナストラック。歌詞はテレビ版と共通。 歌手はベターマンのED『鎮 -requiem-』で知られる※mai。当時の宇多田ヒカルと新人賞を争った(嘘)とも言われ、 米たにヨシトモ監督が「健康のため聴きすぎに注意」と警告するほどの歌唱力は必聴(上手いとは言っていない)。 なお、※とかmaiとかついているが、米たにヨシトモとは一切関係が無い(大嘘ォ)。 「歌ってみた」とか「職権濫用」とかは言ってはいけない。 ■ピアノソロ・ヴァージョン 日本人ピアニスト「島健」氏の演奏によるヴァージョン。 OVA最終話に使用されたヴァージョンであり、物語の最後を締めくくった。 さて、多くの種類が存在する本曲であって視聴するのは大変そうだが、 2005年に発売された「ガ王~勇者王誕生!10連発!!~」を購入すれば全曲聴けた(カラオケ版等を除く)ので心配は無用だ。 また、謎の吟遊詩人の歌う「-extra-ヴァージョン」など変り種もあるため聴いてみる価値ありである。 カラオケ版にナレーションの小林氏による歌唱指導のセリフが付いた「歌唱指導ヴァージョン」なるものも存在。 最初は息継ぎの指示など無難なことを言っているが、段々と「酸素を1000リットル補給せよ」などと無茶ぶりを淡々と要求し、最終的には自分も歌い出すというなかなかシュールな出来栄えとなっている。 歌唱力よりも腹筋が鍛えられるかもしれない。 ちなみにプロトタイプである作曲家の田中公平氏が歌うデモテープ版も存在。貴重な作曲者本人の歌声を聞くことができる。 一部の歌詞が異なっており、特にディバイディングドライバーがプロテクトシェードになっているというのは面白い。 「空、間、湾、曲・・・プロテェーク・シェエエエエエエエエエエド!!」 ……「全曲聴けた」という事で、実はその後に発表されたヴァージョンも存在する。 ■パチンコ Ver. SanThreeのパチンコ『CR勇者王ガオガイガー』で新たなバージョンが登場した模様。 具体的にどこが変わったかは、パチンコを打ったことがないのでわかりません(苦笑) アニメは描き下ろしのようだ。 ■Present of the Voice Ver. 遠藤正明のアルバム『Present of the Voice』に収録されたヴァージョン。 歌っている本人すら想像出来なかったまさかのアコースティックアレンジ。 ■御伽噺(ジュブナイル)ヴァージョン 「御伽噺」と書いて「ジュブナイル」と読む。 『覇界王 ~ガオガイガー対ベターマン~』の漫画版第1巻特装版同梱ドラマCDにショートバージョンが収録され、 その後、フルバージョンが『ベターマン』のBlu-ray BOX特典CDに収録された、いわば『ガオガイガー対ベターマン』のOPとしての「勇者王誕生!」。 『ガ』の数は109個。 『FINAL』のバックコーラスを全部盛りにしたような「お祭り感」がコンセプトで「究極神話」と「集大成神話」のコーラスが使用されており、 1番の場合は主に、歌詞の一部がガオガイゴーに変わっているほか、天海護や戒道幾巳、ベターマンの主題歌を意識した歌詞(*4)、 「勇者王誕生!」派生バージョンで初めてJジュエルとヘル・アンド・ヘブンが歌詞に採用される、などの違いがある。 なんかどう考えてもネタバレ枠としか思えない歌詞がフルバージョンにはあるのは内緒 大体、本編のネタバレでした カバー ■勇者王誕生!パラパラVer. 石田燿子が歌うパラパラバージョン。 ■勇者王誕生!-神話ヴァージョン-ユーロビートVer. 石原慎一が歌う『神話ヴァージョン』をユーロビート調にアレンジしたもの。 これはこれでいい曲なのだが、特撮作品で熱い歌を歌っていた石原氏が歌っているためか「普通に歌っているバージョンも聞きたかった」という声もある。 ■いでよ ガイアレオン 『トミカヒーロー レスキューファイアー』の挿入歌でガオガイガーとは一切関係ない。 だが、同じ遠藤正明氏が歌っているうえ、ガイアレオンのモチーフがライオン。 さらに歌詞に『ガ』や『ガガガ』が存在するため、良くネタにされる曲。 最後に監督より一言。 勇者なら歌ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!! △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 個人的に神話ヴァージョンは一番は集大成、二番は究極が好き。 -- 名無しさん (2013-07-14 00 33 01) 作曲者の田中公平氏本人が歌った試作品のデモテープはバリエーションのひとつに入らないのかな?(ちなみに、田中氏はボーカリストとしての訓練も受けた経験があるため歌は結構上手い) -- 名無しさん (2013-07-14 02 21 12) 田中さん、キングゲイナーの仮歌も歌ってたよな。歌手としても食っていけそう -- 名無しさん (2013-09-09 23 51 03) 一度、完璧絶叫を一人で歌おうとやってみたけど、無理でした… しかも喉が酷い事になった… 俺は勇者になれない… -- 名無しさん (2013-11-03 03 00 09) デモテープだとプロテクトシェードなんだよなwディバイディングドライバーもそうだが、無印一番の武装は全部武器じゃねぇのか -- 名無しさん (2013-11-03 07 02 14) ガガガガガガガイアレ~オ~ン♪ -- 名無しさん (2013-12-04 12 56 59) 集大成神話ヴァージョンを最初に聴いたときの衝撃が忘れられない… -- 名無しさん (2014-07-25 23 07 33) 監督も何気に歌上手いんだよな(笑) -- 名無しさん (2014-11-23 15 11 06) 最初は通常、集大成神話ヴァージョンは最後に聞いた方がいい気がする。 -- 名無しさん (2015-10-18 11 55 21) 「歌詞は普通に七五調なのに曲は違っててなんか歌いにくい」って誰かが言ってたな -- 名無しさん (2015-12-23 19 17 23) 5つ↑、確かに武器じゃないよな。ディバインディングドライバーは武器として代用出来なくは無いかもだけど基本的に闘技場を作る装備だし、プロテクトシェードは盾、スパロボでスターガオガイガーの追加武器として扱われているガトリングドライバーも実は武器じゃないからな(BXでようやく本来の使われ方になったが武器欄がヒジョーに寂しい事に・・・・・) -- 名無しさん (2016-05-09 07 21 06) ガで加速ってのがニコ動に有るけど、タグ通りに腹筋が光になるw -- 名無しさん (2016-10-28 09 21 07) いつかガガガ対ベターの御伽噺(ジョブナイル)ヴァージョンもいつか作られて欲しいなぁ。一番の装備シャウトはヘルアンドヘブンとか -- 名無しさん (2017-02-04 19 28 49) ↑そういえばヘルアンドヘブンはガオガイガーを代表する技だけど完璧絶叫ヴァージョンくらいでしかないのか。まあ、ヘル・アンド・ヘブンって叫びにくい気もするけど -- 名無しさん (2017-02-04 19 44 55) ちなみにヘルアンドヘブンは歌詞に無い。後ゴルディオンハンマーも(歌詞製作時点ではどんな武器か知らなかった事もあるが)実際は「鋼鉄粉砕」ではなく「物質昇華」 -- 名無しさん (2017-11-01 15 51 23) 楽譜を見るとシャープだらけ。都合七回も転調する。そのため大概ガガガッで音を外す -- 名無しさん (2018-02-01 09 50 04) 破界王編も加わるとガオガイゴーの歌詞も加わるんだよね、そして2番(通した仕様なら6番)はあるのか・・・ -- 名無しさん (2019-08-02 12 30 24) 2つ↑、ガオガイゴーがヘルアンドヘブンを担当するみたいだ -- 名無しさん (2019-08-02 12 31 08) 空間歪曲ディバイディングドライバー、鋼鉄粉砕ゴルディオンハンマー、剛腕爆砕ブロウクンファントム、神罰降臨ゴルディオンクラッシャー、超力結集ヘルアンドヘブンってところか。後はゴルデイオンダブルハンマーか -- 名無しさん (2019-08-15 11 40 47) 超全一体ゴルディオンアーマー……絶対この世にまだ存在してねぇ…… -- 名無しさん (2020-02-14 21 40 20) 1話のサブタイトルでもある -- 名無しさん (2020-02-22 22 06 15) 勇者なら歌えええッ!!!て監督なんだ・・・ -- 名無しさん (2020-09-06 01 25 42) ゴルディオンアーマーやファイナルガオガイガーをネタバレだろ!と思っていたが、二番の歌詞が全部ジェネシックとの最終決戦以降のネタバレとか想定してなかったわ…w -- 名無しさん (2021-02-03 21 46 31) スリージーズ2005って声優さん達なの!? -- 名無しさん (2021-10-24 19 45 33) 「ガ」で加速する勇者王誕生 って動画があるけど、最終的に曲が崩壊して腹筋が光になるw -- 名無しさん (2022-01-23 18 08 05) ↑3 Gフィンガー「解せぬ」 -- 名無しさん (2022-02-03 15 01 14) 七五調のおかげで「ギザギザハートの子守歌」や「にっぽん昔ばなし」と歌詞・メロディを入れ替えて、ある程度歌えちゃったりする -- 名無しさん (2023-06-10 15 27 46) ↑3今見てきたが、ほんとにガしかいってねえのがよくわかる、初っ端からどんどん音速で駆け抜けてったよ(褒め言葉)やっぱ凄えな勇者王() -- 名無しさん (2024-05-26 13 29 42) 名前 コメント
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第十一章-第三幕- メイベルの友達 第十一章-第二幕- 第十二章-第一幕- アイリーン・マフィア本部を包囲した謎の武装勢力は、 キョウカ王妃との交渉を決裂させ、突撃を開始した。 四方から包囲されたこの状況の中、勇者軍の四名は 文字通り四散し、東西南北それぞれの方向へ突撃を開始する。 東へ向かったジルベルトは剣と鋼線で大暴れし、 敵を速やかに無力化し始めていた。だが数が数である。 やはり怪我だけでは済まないような 剣の振り回し方をせざるを得なかった。 「………………」 「こいつ、チビのくせにすかしやがって! 死ねぇ!!」 悪態をつきながら特に乱暴そうな敵兵が 数名ほど突っかかってくる。 そのうち二人に猛烈な足払いをかけて昏倒させ、 剣を一時鞘に収めてから片方の兵士をぶん投げて 残りの敵兵を薙ぎ払った。 更にもう片方の兵士も丁寧にぶん投げて戦場を撹乱する。 これを繰り返して、むしろ剣よりも安全かつ迅速に 敵兵を無力化しつつあるジルベルトだった。 文字通りのちぎっては投げ、ちぎっては投げ、である。 西に向かったソニアは獅子奮迅と言わんばかりの大暴れを開始した。 素早さと技量に定評のある彼女は 常人からは測り知れないほど機敏に動き、 避けては駆けて、駆けては殴り、 殴っては蹴り、蹴ってはまた避ける。 猿や狼でもここまで機敏かつ忙しそうには動かないだろう。 何名か重歩兵も混じっているが一切関係は無い。 敵の初撃をかわしたなら、もう彼女の独壇場だった。 右の拳で敵の鳩尾(みぞおち)部分の装甲にヒビを入れ、 次いで左の拳で鳩尾部分の装甲を叩き割り、 最後にもう一度右の拳で鳩尾に一撃。これで充分だった。 敵がうずくまったなら後は簡単。そのまま蹴り飛ばせば良い。 そんな感じの大暴れを続けるうち、敵兵はみるみる減っていく。 南へ向かったルシアはというと、 矢を束ね撃ちにし、弓を乱射する。 敵が近付けばまたステップを踏んで離れ、次々と弓を射る。 「とにかく奴を捕まえろ! これ以上好き勝手にやらすな!」 ようやく戦術らしき命令を下す敵兵だがもう遅い。 一斉に近寄ってくれば彼女の的だ。 「ウォーターウェイブ!!」 強い水圧を含んだ波が、彼女の周囲一帯の敵をを吹き飛ばす。 「くそ、怯むな、続け!」 敵兵がなおも懲りずに突進するが後はこれを繰り返すだけだ。 正直、場数を踏んだ彼女にはものの数ではなかった。 北へ向かったメイベルは、その自慢のスカーレット・アーマーで、 敵の攻撃をことごとく弾き返していた。 時々思い出したかのように動いては、非常に雑に敵を鎌で殴る。 自分のアーマーに絶対的な自信がある故に為せる所業だ。 「この好戦的でない態度……あの鎧……ひょっとすると、 あの『真紅の雌鹿』ってのはこいつの事か!?」 妙に戦慄する敵兵。どうやら何故かそれなりに名が売れたらしい。 「嬉しくなんかありません……!」 少々ムッとしたのか、メイベルは多少積極的に動き出した。 「あの鎧に勝てる奴なんかいないぞ、逃げろーッ!」 変なネームバリューのおかげで 敵は恐慌状態になったようではあるが、 メイベルはどこか納得がいっていないようではあった。 ジルベルトの横には大福達、五匹の猫が付いていた。 襲われた事で敵意を剥き出しにし、 こちらも尋常でない暴れぶりを示す。 だが、それに驚き、敵兵達が大きく後ずさった。 「その強さ……速さ……そいつら、普通の猫じゃないな! まさか、遺伝子調整動物か!?」 その態度の変わりようにジルベルトは驚いたが、 その通りなので、軽く頷いた。 『遺伝子調整動物』は遺伝子をいじる事によって生まれた動物達だ。 遺伝子の調整によりアレルギーを受ける事無く飼う事が出来る 愛玩用の調整はもとより、調整の仕方や組み込む細胞によっては 戦闘用の動物として誕生させる事も不可能ではない。 現に大福、きなこ、みたらし、黒ごま、あんみつの五匹は それぞれに長所の違う戦闘能力を持たされた動物であり、 知能も尋常ではないほどのレベルを誇っているのだった。 もちろん先代筆頭エリシャの時代にも遺伝子調整動物はいたし、 それを否定する理由は特に無かった。 敵はそれを警戒したのだと思い、退いてくれればと考えて ジルベルトは遺伝子調整動物である事を否定しなかった。 「おのれ、我等が真なる敵は勇者軍、お前達にあらず! その五匹の畜生共こそ、我等が誅滅すべき怨敵なり!! 死力を尽くせ! 他の部隊も合流させろ! 勇者軍などどうでもいい、あの五匹の猫をすぐに殺せーッ!!」 「えっ……!?」 ジルベルトも思わず声を出すほどに驚いた。 まさか人類史上最強の私設軍である勇者軍を放置した上で、 少々強いとはいえ、猫五匹を本気で付け狙うというのだ。 とても正気の所業とは思えなかった。 だが、敵兵はその動揺を隙と見なして、突撃を敢行した。 「大福、きなこ、みたらし、黒ごま、おいで!!」 思わず全力で叫び、四匹を呼び寄せつつ、自らは あんみつを抱き寄せて速やかに後ろへ退きつつ応戦する。 この仔猫達は生まれたときからジルベルトが守ってきた命だ。 あんみつにしてもメイベルが守ってきた命である。 ならば、勇者軍軍規に則り、 そして私情としても守らねばならない。 だが、ルシア、ソニア、メイベルの方面に 向かっていた兵士達までが ジルベルト及び五匹の猫を狙って殺到してくると、 流石にジルベルト一人では荷が重くなってきた。 事態を察して三人が救援に来るまでは それなりの時間がかかるだろう。 それまでに、猫達のうち、誰かが死んでいない保証は無かった。 (僕だけじゃ守り切れない……) 許容は出来なかった。どちらを守るかと言われれば、 猫の……否、家族の命を守る。それがジルベルトの信条だった。 (ならば、僕はこれより、修羅に入る!) 殺害行為の断行を決意しようと決めて、彼は剣を敵に向けた。 だが、その時だった。 「ダークバスター!」 空中から膨大な数の闇の魔法が飛来し、 敵陣のド真ん中へと叩き込まれた。 「そりゃそりゃそりゃそりゃ!!」 次々と乱射されるダークバスターに、次々と敵兵が倒れたり、 大慌てになったり、混乱を引き起こしたりしている。 (味方!?) ジルベルトは魔法が飛んできた空中の方角を仰ぎ見る。 天馬騎士――ペガサスナイトだ。それもかなり貫禄のある、 高い能力のペガサスに乗っているようであった。 「ベアトリス、降下よ!」 「ひひんばー!」 ベアトリスと呼ばれたペガサスの力で急降下し、一気に地上へ降り、 一通り騎乗している少女の手で槍が暴れ回った頃には、 彼女の槍の届く範囲に敵はいなくなっていた。 「ただ一騎だ、討ち取れ!」 兵士の注意が猫から逸れて、少女とペガサスに向く。 「ベアトリス、行って!」 少女の号令と同時に、敵兵をジャンプ台にして一気に急上昇。 再度魔法の雨を降らせ始める。 「弓兵、構えぃ!」 どうやら味方らしい少女とペガサスだが、 それを狙って弓を引く敵兵達。 弓と銃という、二種類の飛び道具はペガサス…… 否、空中戦を主とする者達の天敵と言っていい武器である。 このままでは明らかに危ない。 だが、危険は思ったほどに迫ってはいない。 むしろ、迫っているのは好機だった。 「フローベール、無茶し過ぎだ、下がれ!」 今度は馬に乗った普通のナイトだ。 武器は棒を持っているようだった。 (あれも味方なの!?) 馬上の棒術としては極めて見事な部類の敵の捌き方だった。 槍と同様に振り回しては突き、 また振り回しては突き、そして突撃。 一直線に敵を蹴散らしては方向転換し、また再度突撃、 空中と地上からのダブルヒット&アウェイを繰り返され、 敵陣はもはや陣としての効果を為さなくなっていた。 せっかくの味方だ。便乗しない手はなかった。 念のため持ってきていた広範囲攻撃用の 魔道書を開いて読み上げる。 残り1回しか使えない状態でもらったため、 リゼルからどうせ役に立つ状況は無いだろうと 言われていた余り物だが、なかなかどうして、 状況によっては助かるではないかと得心しつつも叫ぶ。 「プラズマブラスター!!」 二人の騎士が離れたタイミングで術をぶっ放した。 多くの敵兵が感電し、更に戦局はこちらに有利に傾いた。 「大丈夫!? ジルベルト君!」 「こういう手で敵が来るとはね……!」 「フォローします、兄様!」 ソニア、ルシア、メイベルの順に合流してきた。 これで勇者軍の敗北は無くなった。 先程交渉した指揮官らしき人物は、二百名以上を引き連れて、 たった六名に勝てない事実に愕然とし、そして激昂しかけていた。 「お、おのれええッ!!」 すると、フローベールと呼ばれた少女がジルベルトの元に来て、 先程ジルベルトが使って、術の効力が無くなった プラズマブラスターの書をさっと取り上げた。 「フローベール!」 驚くメイベルだが、彼女は一顧だにしなかった。 「ちょっと借りますね!」 敵の指揮官は激昂したまま剣を構え、 もう一人の騎士に狙いを定めた。 フローベールはペガサスを急上昇させ、次いで急降下。 「ペンは!」 がごッ! 凄まじい勢いで本の角が敵指揮官の脳天に叩き込まれた。 未だ戦闘中の騎士はその異音に振り向いた。 自分が敵指揮官から狙われているのにようやく気付いたようだ。 「剣より!」 フローベールの手から空の魔道書が放り投げられた。 どうやら少年騎士は、フローベールの意図を察したらしい。 馬の腹を蹴り、思わず怯む敵指揮官に向かって疾走する。 「強し!!」 そのまま少年は叫びと共に本の表紙を ダイレクトに敵指揮官の顔面へ叩き込む。 「ナイスなコンビネーションだったわ。即席な割に」 「だから無茶し過ぎだって。俺じゃなきゃ 対応しきれないぞ。あんな無茶振り」 フローベールと少年はそう言いながらもハイタッチをする。 戦闘は終了した。敵兵の大半が撤退し、 残ったり気を失ったりした者達も アイリーン・マフィアの兵達によってあっさりと捕縛された。 「兄様、紹介します。私の友達、情報部所属のフローベールです」 と、メイベルが遅まきながら紹介する。 「フローベール=エルデナント伍長です。今のが初陣ですが、 何とか上手くいったようで何よりです。 で、こちらが愛馬のベアトリス」 「ひひんばー」 「?」 ジルベルトがテレパスで何かを読み取ったようである。 (この子があの総帥エリシャのお子なのね……分かるわ。この感じ。 人を惹き付ける才、戦の才、そして人業さえも呑み込む異才。 いや、あるいは鬼才なのかもしれないわ。どこまでも異質にして、 究極の自然体のまま戦えるという本質なのかもしれないわね) という考えである。その真意は読めなかったが、 総帥であり、母であるエリシャを知っているという事で、 ジルベルトはなんとなく親しみを覚えるのであった。 「で、自分はその双子の弟、バスク=ランドルフ軍曹です。 なんかエリート扱いされて、フローベールより階級高いですけど、 まあ立場は同じようなモンなんで扱いも同じでいいッス。 あと、所属は研究部になりますので、よろしくです」 (うちの子達を守ってくれてありがとうなのー) ジルベルトはニコニコと笑って二人と握手する。 戦闘終了を確認して、キョウカ王妃も中から出てきた。 「無事に二人が加わったようですね……」 「キョウカ王妃、この二人が フローベールとバスクです。双子なんですよ」 メイベルが紹介すると、キョウカは 二人よりむしろベアトリスを見た。 「まあ、ベアトリス……という事はあなた達は ユーフェミアさんとエルウィンさんのお子なのですね」 「あ、はい!」 「そうです!」 ガッチガチに緊張して二人が答える。 (ソニアさん、ソニアさん) 重要だからなのか、いきなりジルベルトが ソニアの腕をくいくいと引っ張る。 「ん? どしたの? 怪我でもした?」 「ううん、そうじゃないの。 けど、敵の様子が途中からおかしかった。 僕達じゃなくて、大福達、猫だけを執拗に狙い始めたの」 「なっ!? なんで!?」 ジルベルトが発言した事もそうだが、内容にも驚いた。 「分からないの。けど僕一人だけじゃ、この子達が危なかったの。 だから、フローベールとバスクが来てくれて本当に助かったの」 「……ふぅ、どうやらまた謎ばっかり増えちゃうみたいね」 と、内容を察してルシアが嘆息。 「敵の本命がクォーターエルフと猫じゃあ接点が無さ過ぎるわ。 もうちょっと接点が無いものかしらね」 ジルベルトは熟考しているが、まだ結論には至らないようだった。 ともあれ、ここでモタモタしているわけにもいかないので、 フローベール、ベアトリス、バスクを加えた勇者軍主力部隊は 更なる戦力増強を考え、勇者軍を支援する重要拠点の一つである、 バイオレット・ヴィレッジへと急行する意見をまとめたのであった。 「よっし、行くぞー!」 一人猛烈に張り切って走り出すバスクだったが、 慌てすぎたのが災いして、馬のコントロールを失いかけた。 そして落馬しようかとした瞬間、 横からフローベールが首をひっ掴まえてそれを止めた。 「バスク、慌てないの。みんなに合わせなきゃ」 「わ、分かってるよ。フローベールはいちいちうるさいな!」 と、改めて座り直すバスク。 「弟が粗忽者で済みません」 「フローベールこそおせっかいなんだよ」 「はいはい、言い合いはそこまで」 と、言い合う二人にルシアが割って入る。 流石に年長の貫禄であった。 「ゆっくり、けれど確実に進みましょう。 どうやら敵は、私達が思っている以上に巨大で、 しかも老獪な戦術がお好きなようだからね」 「はっ、はい!」 「了解です」 「じゃ、行くわよ。号令を、ジルベルト君?」 と、ルシアはジルベルトに振る。 ジルベルトはただ黙って剣を掲げて、前方へと向ける。 それに従い、前よりはいくらか緊張して、 一行は歩き出したのだった。 目標は――バイオレット・ヴィレッジ。 ジャパニーズ・チルドレンと呼ばれる者達の住処である。 <第十二章へと続く>
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二つ名:忠誠の勇者 名前: 詳細: とあるお屋敷のお嬢様の執事をしていたが女神の神託をうける。女神よりお嬢様への忠誠のほうが圧倒的に上回っていて、ぶっちゃけ魔王退治とかどうでもいいけどお嬢様が応援してるから頑張る。 とある館のお嬢様の執事であり、ついでに勇者をしている。 代々館の主に執事として仕える家の生まれで幼い頃から主であるお嬢様の執事として働き、 執事としての教育を受ける。 現在ではお嬢様の執事としてお嬢様を様々な面で支えながら、館で働く使用人のまとめ役もこなす。 お嬢様の為に様々な教育を受け、お嬢様を守る為に剣術を習い幼い頃から「秀才」そして「二刀の名手」として名を馳せる。 何故二刀流なのか? 答えは単純である。片方の剣は主への絶対の忠誠の証であり、もう片方の剣は主から仕える者への絶対の信頼の証である。 その為代々家に伝わるこの二つの剣を使った特殊な二刀流剣術を幼い頃から習っており、家では「稀代の名手」と呼ばれている。 この対の剣は代々折れることなく受け継がれており現在は彼が受け継いでいる。 <特技> いつでもどこでもお嬢様が望むティータイムの用意が出来る。時間は僅か数秒。 英国式から茶道までなんでもすぐに用意できる上に作法も完璧である。 常に執事服と対の剣しか持っていない状態からテーブルからイス、お茶菓子等を用意するため館の七不思議の一つになっている。 どこから用意しているかは素早過ぎてわからないようです。 <強み> ・お嬢様の存在 ・女神から与えられた能力として、お嬢様からの応援、命令等を「気力」に変換できる。(自身の忠誠心から気力は無尽蔵に近い) ・「気力」を使った身体能力や防御力の上昇。気力を使った攻撃。 ・「気力」を得た代償として「魔力」を持たない。その為「魔力」を使った幻術や結界等が効かない。 <弱み> ・お嬢様の存在 ・お嬢様の応援、命令等がない場合、「気力」が著しく低下。(気力がほとんど無い状態になる) ・「魔力」を持たないため「魔力」による直接的な攻撃には耐性が非常に低い。 ・「気力」を使い視力や聴力を上げている場合、光や音に過敏になる。 その為身体能力上昇中等は爆音や閃光等の影響を非常に受けやすい。
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第十六章-第三幕- ただあの人の下に(後編) 第十六章-第二幕- 第十七章-第一幕- ソニアを救出し、新たにギースとリュミエルを迎えた 勇者軍主力部隊は、いよいよ近付いてきたアーム城への 移動を試みようとしていたのだった。 「バスク、そろそろ向こうに連絡入れてみたらどうなの? 通信網の再構築がある程度出来てるんじゃないかしら」 と、ドルカスが言うので、バスクは端末をいじってみた。 「通信機能、オン……と」 通信機能をオンにした。まだ設置したての通信網なので、 端末が即座に対応し、最適化作業を始めた。 「……うーん、これはもう少し時間が要るな。 もう少し早く最適化作業を始めておけば良かったかな」 「そう時間も要らないでしょ。端末の電源はオンのままにして、 さっさと進軍した方がいいかもしれないわね」 ドルカスの助言に従い、バスクは電源をオンにしたまま、 愛馬ヴィッセルを歩かせる。 その後を、残りの全軍が続く。 ある程度歩けば到着はするが、更なる襲撃が アーム城に無いとも限らないのであった。 連絡は早ければ早いほどいい。 ……だが、もちろん事はそう穏便にいくはずもなかった。 「ふみゃーっ!!」 「ふーっ!!」 突如として猫達同士の喧嘩が始まったのだ。 今にも飛びかかりそうな剣幕である。 「えっ、ちょっと! 何なの!?」 「押さえて、押さえて!!」 レイリアとエイリアが慌てて喧嘩を始めた 大福ときなこを引き剥がす。双方共、 とんでもない実力があるので喧嘩になるとシャレにならない。 「ちょっと、こっちもよ!」 こちらも慌ててソニアとジルベルトが みたらし、黒ごまを引き剥がす。 割って入ろうとしたあんみつも、メイベルが何とか取り押さえた。 「一体どうしたってのよ!? ジルベルト君、原因分かる!?」 ジルベルトはテレパス能力で、何とか興奮状態の 五匹の猫達の心理状態を読む。 どうやらお互いを敵だと認識している。 当然同じ親から生まれた兄弟姉妹同士 (ただし、あんみつは親戚になる)なので、 普段は仲良くしているのだが、 何故こうなったのかが分からない。 「何者だ、手前ェ!!」 と、いきなりコンラッドがライナスへ弓で攻撃を開始する。 「……何をする……!? 敵か!!?」 あろうことか、ライナスまでコンラッドに攻撃を開始した。 二人だけではない。フローベールとバスクが、 サイモンとヴァジェスが、テディとリュミエルが、 ギースとドルカスが、次々と仲間割れを始めた。 おかしくなっていないのは、事態に動揺しないよう、 意図的に精神状態を沈静化させた ジルベルト、ソニア、ルシア、メイベル、 そしてナノ・マシンを自己防衛に費やしたレイリアと、 絶対耐性の技能を持つエイリア、 元から闘争の術を持たないキョウカ王妃。 以上のメンバーとなっている。 事態を飲み込みかねて、メイベルはただ混乱するばかりだ。 「これは、どういう事なの……?」 ソニアが訝る。 (分からない。一体何が起こっているのか……) その時、フローベールを振り落としてきたベアトリスが近付く。 彼女は魔族だからなのか、影響下にあるわけではないらしい。 「ひひんばー」 そのベアトリスの意図をジルベルトが テレパスで読み、メールで伝える。 『呪術かもしれないって言ってるのー。 幻を見せ、音を歪めて味方を敵の得体の知れない相手に 認識させてる可能性があるらしいのー』 「敵の足止めの作戦…… あわよくば同士討ち作戦ってトコかしら」 「対処法はありませんか?」 極力冷静に、キョウカ王妃が訊いてくるので、 ベアトリスが策を提示する。 「ひひんばー」 『リュミエルだけでも元に戻せれば 対処の仕様があるかもしれないのー』 「リュミエルか……」 エイリアが唸る。スレインメイデンである彼女なら、 呪術に対するカウンター的な技能を 持っているかもしれないからだ。 「人間を敵に見立てる幻術は使えても、 機械まではそうはいくまい。 ルシア、隙を作ってはくれないか? そのわずかな隙でメールを送る」 「分かったわ。テディを牽制すればいいのね」 「メールの文面はキョウカ王妃、頼めるか?」 「今、入力中です。百二十秒下さい」 「分かった!」 エイリアの指示で各員が動き出す。 と言っても大半は猫を押さえる役だ。 勇者軍の仲間割れは実力が拮抗している事が幸いして、 短時間なら放置しても大丈夫だった。 「入力完了です。送信します」 キョウカ王妃の送信と同時に、 ルシアは弓の連射でテディを牽制する。 「何だ!? 奇襲か!?」 同時にリュミエルへメールが届く。その着信を確認すると、 敵(と思っているテディ)が、結果的にとはいえ、 攻撃の手を止めた事もあり、文面を確認する。 『敵の呪術で仲間割れさせられています。 対抗手段をお持ちであれば、 即座に実行に移していただけると、 助かります。 ――キョウカより』 馬鹿丁寧な文面を見て、リュミエルは急いで精神を落ち着けた。 呪術の効果が薄れ、自分が敵だと思って戦っていたテディの姿が うっすらとだが見えるようになったのである。 「そういうわけね。小賢しい手だこと」 鼻で笑うと、リュミエルは御札を大量に取り出し、展開する。 「術式展開! 防御結界!!」 ぱんっ!! 軽い音を立てて、勇者軍の周囲に御札が散っていく。 周囲に結界が張られ、敵の呪術の力場を完全に遮断する。 「……お? リュミエル?」 その中心地であるリュミエルに 一番近かったテディから、正常な視覚と聴覚を取り戻し、 その後近い順から残りのメンバーも、感覚を取り戻していく。 「本当に私も合流しといて正解だったみたいね。 まさかこんな技能が役に立つとも思わなかったけど」 と、自信満々にどや顔をするリュミエルに 助けられたと分かるや、精神を落ち着ける各員であった。 無論猫達もなんとなく事態を察して、 一番落ち着く所……要するに ジルベルトの傍に自ら寄っていくのだった。 「闘争心や警戒心を刺激して幻覚を見せる呪術だったみたいね。 だから、戸惑っていただけのメンツや、 戦えないキョウカ王妃は術にはかからなかった、か」 さもありなん、という感じでエイリアも頷いた。 「でも、呪術なら呪術師がいないと駄目だよ。 一体……どこにいるのかな?」 キョロキョロと辺りを見回すレイリア。 「そう簡単に見える所にはいないだろう。探すぞ」 「駄目! 術式結界自体が動けるわけじゃないのよ! 外に出たら結果は同じなんだから!」 サイモンが外に出て呪術師をさっさと見つけようとしたが、 リュミエルがそれを慌てて止める。 「また仲間割れしたくなかったら動かないまま、 敵を見つけないと……任せるわよ」 「くっ……厄介な」 苦虫を噛み潰したような顔をするサイモン。 「ならば私が行こう。こういう搦め手には私が一番強い」 と、エイリアが前に出る。絶対耐性を当てにしているのだ。 「大丈夫なの?」 「任せろ」 エイリアが外に出るが、呪術にかかったような様子も無く、 平然としたままで周囲を探す。 敵の焦る気配が周囲に滲み、それがより一層発見を容易にする。 「そこだっ!!」 しげみに鞭を叩き込むと、慌てて呪術師が出てきた。 そして素人目にも呪術が途切れたのが分かった。 怪しい気配が一切消え去ったのだ。 呪術師は呪術があっさり破られたのを見ると、 悪態をつきながら逃げ出した。 「くそっ、何なんだ! 我が呪術を意にも介さないだと!? これだから遺伝子調整を受けたバケモノはッ!!」 「逃がすか!」 エイリア、次いで残りの連中が追い始めるが意外に足が速い。 こういう時に限って、頼みのフローベールも、 ベアトリスから降りていた事が災いして、対応が遅れた。 「逃がすかよッ!!」 だが、そこでバスクがそのまま突撃を敢行する。 「ヴィッセル!」 「ぶるひひひぃぃぃん!!」 愛馬ヴィッセルによるキックが呪術師のどてっ腹に叩き込まれる。 「のげっ!?」 ごろごろと転がりつつ吹っ飛び、呪術師は気を失った。 勝利は確定である。 「バスク、初手柄ね!」 「ああ。やったぜ!!」 バスクは馬上でガッツポーズを決めてみせた。 しかしこのネイチャー・ファンダメンタルの呪術師を この後どうするかで若干意見が割れた。 近くの市街地に連行したのだが、まさか市街地で 無抵抗の人間を殺害するなどという 凶行に及ぶわけにもいかず、 かといって警察に引き渡せば 呪術であっさり脱獄してくるだろう。 ならば今効果的な手は勇者軍伝統(?)の方法だろう、 という結論で約一名の反対を除き、サイモンの案で決定となった。 すなわち―― 「これで良しっと」 テディの手によって、呪術師は丁寧に縛られ、 猿轡まで噛まされて見事にダンボールの中に梱包されたのだった。 丁寧にエアキャップまで下に敷かれている始末だ。 「おい、空気穴も忘れるなよ。流石に死ぬから」 と言いつつも、コンラッドがダンボールに 穴を開けて空気穴を大量に作る。 「送り先どうするの? 姉さん」 「そうねぇ……」 ソニアに問われたルシアが、とりあえずお届け先を 遥か遠く、惑星アースの裏側、クルーズ・シティ方面に指定した。 勿論お届け先はネイチャー・ファンダメンタルが不法占拠した 惑星アース国際平和機構様宛てである。 しかも着払いで。あまつさえわざわざ時間がかからないように しっかりと速達便にしてやる有り様である。 「あの……それはちょっと可哀想では……」 流石にキョウカ王妃が難色を示したものの、 それをどうにかこうにか言いくるめるリュミエルとギース。 「いやいや、処刑とかされないだけ ありがたく思ってもらわないと」 「丁寧に送還してやるだけ温情的かと思われます。王妃殿」 「……はあ……」 あまり納得はしていないようであったが、 やむなく了承するしかないキョウカ王妃であった。 そしてその荷物(イン敵)を宅配業者になすりつけた。 「あ、割れ物とかじゃないんで、 衝撃は大丈夫ですけど、 ナマモノなんで生きたままでお願いできますか? 哺乳類ですけど。あと着払いで」 「あ、はい。承りましたー、っと、重いな」 中に何が入っているかも知らず、 業者の人は荷物(イン敵)を受け取った。 「これで良し、っと」 「二度と来るなよー」 何やら暢気に荷物に向かって手を振る二人。 何やらダンボール(の中の敵)が抗議しているようにも見えたが、 それはまあどうでもいい事であった。 「……お?」 気が付くと最適化処理が終了し、 端末は通信機能を取り戻していた。 「こちらバスク=ランドルフ。アーム城、聞こえるか?」 「はい、こちらアーム城のユイナです。 主力部隊は大丈夫ですか?」 と、ユイナ王女の声が聞こえる。映像もすぐに映った。 「……っ!」 その愛嬌ある顔立ちに、一瞬バスクは言葉を失った。 「……もしもし? 聞こえてますか?」 「……あっ、ああ! 全員無事だ。 キョウカ王妃もこっちにいるんだ! 今からそっちに届けに行くから、待っててくれよ!」 「ありがとうございます! わざわざ知らせてくれるなんて…… あなたは優しいのね。よろしくお願いね、バスクさん」 「あっ、うん!」 そこで、イスティーム王がユイナと交代する。 「キョウカ。そこにいるんだね?」 「元帥閣下!」 キョウカ王妃も慌ててバスクの端末を借りる。 「よく頑張ったね。ここに来たらもう安心していいですよ。 無理をしないでゆっくり来て下さいね、キョウカ」 「はい……はい!!」 キョウカ王妃の瞳にみるみる力が宿る。 「必ずあなたの下に……ただひたすらあなたの下に、 キョウカ=カザミネ=ザン=アーム、参りますわ!」 決意の漲る表情でキョウカ王妃はそれだけ告げて通信を切る。 「チトセ、皆さん、行きましょう!」 あれだけ気の弱かったキョウカ王妃が、 今や喜色に満ちた表情でチトセを堂々と乗りこなしている。 ある意味では王者の風格に近いものがあった。 『元気になって良かったのー』 ジルベルトも大喜びだ。ソニアを奪還した喜びも重なり、 今や勇者軍の士気は高まるばかりであった。 階級上の関係から、今この場で事実上最高位の指揮権を持つ キョウカ王妃の号令で、また勇者軍は歩みを進めるのだった。 ただ、あの人の下へ行くために。 ソニアを迎えに行くジルベルトがそうであったように。 ジルベルトのために懸命に脱獄した ソニアがそうであったように。 今、キョウカ王妃は、真に勇者軍の一員に 相応しい心根を抱くのであった。 <第十七章-第一幕-へと続く>
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二つ名:淫蕩の勇者 名前: 詳細: とある軍隊に所属していた勇者。印を描き、印から力を得て戦う。思いが込められた図形であれば印として機能するらしく、むしろ子供が書いた絵なんかの方が力が出るそうな。しかし力を引き出した印は消えてしまうため、せっかく子供に書いてもらった絵が消えてしまって残念がる姿も。 印闘の勇者は一時期行方が知れなくなった。魔王に捕えられ被虐の限りを尽くされていたのだ。ついには体中に呪文を刻まれ魂までが穢されようとしたとき、その呪文を印として力を得、見事抜け出したのだ。だが刻まれた呪文は消えず、精神を侵され、元合った心は戻ってこなかったという。 その他:
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第四幕-第二幕- 猛爆、ブルー・ワイズマン 第四章-第一幕- 第四章-第三幕- ヴェール・シティの市街地で、白虹騎士団のシアンナイトと名乗った敵と たまたま接触してしまった勇者軍のローザ=カレン。 市街地での激闘をする愚を行うかどうかの瀬戸際に迫られていた。 「ちっ、ここは市民が多すぎる……どうする!?」 ローザはハンマーを構えて威嚇するが、 シアンナイトは委細構わずにじり寄ってくる。 「手前ぇ、こんな場所で戦うつもりか!? 市街地や一般市民に被害が出るぞ!」 「そんなの関係ない……そうしないといけないもの」 ガキン! 遂にその鎌を叩き込んでくるシアンナイト。 すれすれで防御に成功したローザだったが、 全力で戦う決意までは未だに至らなかった。 向こうはお構いなしの全力攻撃。 こちらは攻撃さえ躊躇われる。 不利とか何とかいうレベルを遥かに超越しており、 もはや逃走する以外の選択肢は無かった。 合流出来れば、数に任せて短時間での決着も 不可能ではない、と思えたからである。 ローザは、迷わずその場を走り去る。 「逃がさない……!」 シアンナイトが追撃に入った。 『ローザ、聞こえるかい?』 突然端末に通信が入る。相手はカイト=ワイズマン。 ワイズマン=ファミリーの新当主であった。 「カイトか。聞こえている! 近くにいるなら救援を出せ!」 『それは出来ない。だが手は打ってある。 私の指示に従って移動を行ってくれるかい? 計算が上手くいけば、最低限の被害でカタがつく』 「……策を打ったのか! 当てにさせてもらう! それで、俺はどう動けばいいんだ!? 教えろ!」 走りながら全力で応答するローザ。 シアンナイトはしつこくも鎌を振り回して追ってくる。 本当に市民の事はどうでもいいらしく、 逃げ惑う一般市民や車などには目もくれない。 それがローザに有利に働いていることなど、 ローザ本人すら、知る由も無いのだった。 『その路地を左折、時速15kmを維持して走って』 「おう!」 どんどんロバート達のいる場所から遠のいていくが、 今はそれどころではない。カイトだけが頼りなのだ。 最低限の被害と最低限の戦闘で勝利する。 それだけが今のローザに許された選択なのだから。 『その交差点は直進、スピードはやや上げて』 「おうさ!」 「待って……!」 どこから取り出したのか、ハンマーを投げてくるシアンナイト。 「うわっ! 奴め、投擲攻撃をしてきたぞ!」 『ならばミッションプランに修正。更にスピードを上げて。 そこの突き当たりを右折したら200メートル前進。 もちろん、敵の攻撃は全て回避して速度は落とさないで』 「簡単に言ってくれるよ、おい!」 どこから出しているのか、次々とハンマーが飛んでくる。 「よし、市街地は抜け出たか!」 一旦ブレーキをかけて止まるローザ。 ようやく市街地を抜け出るが、まだ敵は追ってくる。 どうやら市街地かどうかなど、敵には関係ないようだ。 『座標はこっちで見えている。仰角誤差修正。 最終ターミナル誘導開始、君の立ち位置を修正するよ。 現在位置から8メートル後方、3メートル右で待機、 あと32秒ほどそこで耐え抜いてくれればいい』 「細かいな!?」 とはいえ、言われた通りに動く。 シアンナイトもようやく追いついてきた。 投擲に無駄な力を費やしていた分、追跡が疎かになっていたのだ。 「どこまで逃げるつもりなの……大人しくやられて……」 「市街地じゃないなら思い切りやれるさ!」 とは言え、ローザは動くつもりは無かった。 それがカイトの決め手なのは明白だったからだ。 そして、きっかり15秒後、 すぐ目前にまでミサイルが来ていた。 『大陸間弾道ステルスミサイルだ。君は避けろよ』 「そう来たか! まったく、憎たらしい腹黒野郎め! こいつは俺が有効に使わせてもらうぜ! うぉぉぉらぁぁぁぁぁぁッ!!」 シアンナイトへ突然の突撃、 瞬間、怯むがすぐに迎撃態勢を取るシアンナイト。 「遅い!」 ずどぼがん!! 豪快な音を立てて、地面に叩きつけられるシアンナイト。 「ううっ……!」 起き上がって反撃しようとするが、 ローザは既に近くにはいなかった。 そして、ローザとカイトの声が同時に唱和する。 『インパクト!』 ずどどぉぉぉぉぉぉん!! 念入りな事に、ミサイルは8発も飛んできていた。 その大半が見事にシアンナイトを直撃する。 まともな生物なら跡形も残らないだろうし、 市街地で使っていれば甚大な被害が出ていたはずだ。 「やったぜ!」 『まだだ。奴の死亡は確認していない』 「任せろ!」 ローザが爆発の黒煙の中をしげしげと見回すと、 がちゃがちゃ音を立てつつも、震えるシアンナイト。 死亡とはいかないまでも、甚大な被害を与えたらしい。 「ずるい……!」 「へん、引っかかる奴が悪いのよ! 俺にしか眼がいかなかったのが手前ぇの敗因だ!」 『そして後悔する暇はあげないよ』 ミサイルの第二波が飛来していた。 「嫌……負けたく……ないの……」 シアンナイトが必死に逃げ始める。 「逃がさねぇ! 話してもらうぜ、目的をな!」 ローザが追撃しようとするが、シアンナイトは 思いの外、素早い退避を行っていた。 既に鎧もズタズタだというのに、凄まじい逃げ足だ。 ブルーナイトと違って、随分と臆病でもある。 数分後、ミサイルは何も無い大地に着弾し、 完全に第二波のミサイルは無駄になってしまった。 だが、とにもかくにも切り抜けることはできた。 ヴェール・シティそのものを巻き込まなかったことも 賞賛に値すると言っていいだろう。 「ローザ! 大丈夫か!?」 そしてマリーを先頭に、勇者軍主力部隊も追いついてきた。 「大丈夫だ。カイトがミサイルで援護してくれて助かった。 敵はシアンナイトと名乗ってやがった。白虹騎士団らしいぜ」 ロバート達の不安が的中する形となったが、 切り抜けてくれたのは幸いであった。 となれば、そのカイトとの合流を急がなければならないだろう。 勇者軍主力部隊は、ローザを加えて、港へと急ぐのだった。 <第四章-第三幕-へ続く>
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憤怒の勇者(ラース・ブレイバー) 自然 C 6 6000+ ビーストフォーク ■W・ブレイカー ■パワーアタッカー+3000 F 彼の唯一つの欠点は、短気な所。 作者:匿名 ただのファッティ。 龍王編 第一弾
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二つ名:術具の勇者 名前:?/マグ 詳細: 魔物の素材を使った魔法道具を作る魔法具屋。元々素材は冒険者に頼んでいたが、自分で言った方が安くつくというのと、魔法具を作っていたいという欲求の狭間で揺れている 本名:? 自分のことは魔法具屋、としか基本名乗らない。 たまに面倒なのか略して「マグ」と名乗っていたりする。 性別:? あまりに抽象的すぎてよくどちらか聞かれる。 聞かれると「商売するのにその情報は必要ないな」と言われる。 現在: 旅する魔法具屋。 元は引きこもって冒険者たちに素材集めをさせていたが、どうにも効率が悪かったので自ら出陣。 なんか勇者に選ばれてしまったが、正直商売の方が大事。 勇者だろうが魔王だろうが、自分が作った魔法具を使ってくれるなら誰にでも売る。 簡単に作れる魔法具の製作を頼まれるとつまらなさそうに作ってくれる。 逆に無理難題の魔法具の製作を頼まれるとあくどい笑みを浮かべながら楽しそうに作ってくれる。 なお、金額はすんばらしく高い。その分性能は最高峰の物とまで言われている。 術具にとって、魔法具さえ作れるのならどうなろうが基本どうでもいい。 基本、争いというものはしない。ので、勇者と魔王が闘っていても実質協力はしないが、商売はしてくるかもしれない。 ちなみに戦闘スタイルは杖で殴る7:魔法で吹き飛ばす3と物理特化な魔法使い。 人がいる場合魔法具を使っての商売すら始めるのである意味商人魂が高い。 覚醒: 「∞魔力」を常時発動していることになっている。 勇者であると宣告されてから目覚めてわずか数秒の間に覚醒、そして死にかけた。 「∞魔力」とは文字通り尽きることのない無限の魔力である。 しかし代償なのか、生命のエネルギーが身体から消え失せ、人として生きれなくなってしまう。 勇者に選ばれる前から作られていた「猫の魂もなんとやら」のおかげでその場で死ぬことはなく、尚且つそれを埋め込むことにより実質不死という形になっている。 おかげで女神の加護は選ばれたその時にさよなら、ということになる。 つまり、女神とやらを拝んだのは夢で告げられた時のみ。 なお、本人としては魔法具が作りやすくなったので満足しているらしい。 術具の持っている自作魔法具 ・猫の魂もなんとやら 効果: 魔力を生命エネルギーに変換し、疑似魂を生み出す魔法具 これによって死んでも変換された魂によってその場で復活が出来る 本人曰く「商談中に死ぬなんてあってはならない」から生まれた逸品 なお、能力に覚醒してからはこれが命の代わりになっている(胸に埋め込んである) ・異次元の口 効果: なんでも出し入れできるチャックしかない魔法具 チャックを開くとその先は異次元であり、物を取り出せる ちなみにこの口は喋る「オイラの中から今日は何を出すってんだいダンナ」 ・破壊の紅玉 効果: 術具が持っている杖の紅玉である 攻撃、補助、防御、回復、全ての効力を発揮できる ただの魔法具屋だとは思わないでいただきたい ・異界の番犬の呼び鈴 効果: 呼び鈴を鳴らすとどこからともなく3頭の首を持った番犬が使い魔としてやってくる 命令を達成すると同時に帰るか、呼び鈴をもう一度鳴らすと帰る 主に移動手段としてよく使っている ・白兎の懐中時計 効果: 対象の時間を巻き戻す、これは回復や蘇生とは違い【対象そのものを指定した時間の時の状態に戻す】というもの 仮に肉体が半分に分かれた場合、これを使うことにより半分になる前に戻し、元通りになる この場合死んだはずの魂も元に戻ってくるため文字通り【巻き戻している】 術具に対しては致命的な傷などを負った場合、自動的に発動するようになっている 対象を指定すればそれにも使うことは可能だが、術具以外が使うと基本魔力が足りなさ過ぎて巻き戻せる時間が短い 魔力が多ければ多いほど巻き戻せるので、∞魔力を持つ術具が一番巻き戻せることになる(現状の話) ただし、巻き戻せると言っても術具が【戻したい時間を直視していなければ】巻き戻すことは不可能である このため、素材なので魔物を狩った場合でも素材を剥ぎ取った後に、時計を使って魔物を巻き戻し、野に返している
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二つ名:戦火の勇者 名前: 詳細: 人間と魔族の争いだろうと人間同士だろうと雇われれば戦地へ赴く流浪の傭兵。自分の手の届く範囲にある銃器を意のままに操る能力がある。最近の悩みはいくら洗っても火薬のにおいが取れないこと その他:
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二つ名:怠惰の勇者 名前: 詳細: 魔道学の科学者。特にゴーレムに長けており、様々なゴーレムを作成しては彼が拠点とする街に特価で提供している。街はゴーレムたちが雑用を行うようになり、人々はより豊かな生活を送れるようになった。 そう、豊かな生活だ。人々はゴーレムに依存し、ついぞ働くこともやめた。 ゴーレムによる「働く必要のない理想の国」を目指す彼は、「ゴーレムによる街活性化後の依存具合の想定値」を割り出し、予想通りの数値を手に入れた天才は笑った。 その他: